主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第18回大会
回次: 18
開催日: 2021/03/03 - 2021/03/04
本研究では、メディアの視聴経験がリスク対象への態度に及ぼす影響を検討するために,診療放射線技師を主人公としたテレビドラマの視聴経験の程度とCT検査およびその放射線に対する態度について調査した。ドラマは週に1回、1クール(約3か月)全12回放映され,調査時期はドラマの放映終了約1か月後であった。調査では,CT検査およびその放射線に対する態度質問紙(e.g., Tomitaka et al.,2016)と、ドラマの視聴経験の程度やストーリーやキャストの好感度などを評定させた。視聴経験の程度をもとに、調査対象者を視聴者(2.あまり視ていない~5.全て視た)66名と非視聴者(1.全く視たことがない)182名の2群に分類した。2群間における質問紙の因子平均値を比較した結果、「CT検査とその放射線に対する不安・恐怖」因子の得点は視聴者が非視聴者よりも低い傾向がみられた。この結果から、メディアの視聴経験はリスク対象への感情に影響を及ぼす可能性が考えられた。