日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第18回大会
セッションID: PT2_7
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ポスター2
ヒーローは右上を向くか?
顔の向きが印象に及ぼす影響の文化差
作田 由衣子
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抄録

人は顔を見ると自動的かつ瞬時に様々な印象を知覚する。顔そのものの物理的特徴のみならず、照明条件や角度、姿勢などの外的要因によっても印象は変化する。Frimer&Sinclair (2016)によれば、ガンジーなどの道徳的ヒーローは右上を向いた写真が多いこと、また、右上を向いた写真はより温かみがあり英雄的であるなどの印象を抱かれやすいことなどが明らかとなった。しかし、そうした効果が普遍的なものであるか欧米独自のものであるかは不明である。本研究では、日本人を対象として、同一人物で左上を向いた写真と右上を向いた写真で印象を比較した。その結果、右上を向いた写真はより未来を見ており誇らしげであると感じられるが温かみや英雄的印象は感じられないこと、日本人はアメリカ人よりも時間が左から右向きに流れていると判断する傾向が強いことなどがわかった。日本人は左右の向きと時間的な印象のみが関連しており、英雄的印象とは関連しないことが推測される。

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