抄録
かわいい動物の写真を見た後は注意の範囲が狭まることが報告されている。本研究では,この効果をオンライン実験で追試した。大域局所課題(小さなアルファベットで構成された大きなアルファベットに含まれる標的文字を弁別する)を用いて反応時間を測定した(N = 401)。課題中に幼くかわいい動物の写真が提示される条件と中性写真が提示される条件を設け,条件の順序を参加者間でカウンタバランスした。局所標的に対する反応時間から大域標的に対する反応時間を引いた大域優先性を注意範囲の指標とした。その結果,かわいい条件の反応時間は中性条件よりも長くなり,大域優先性もかわいい条件のほうが中性条件よりも大きくなる傾向が認められた。このことから,かわいい動物の写真を見ると注意の範囲が狭くなるという証拠は得られなかった。一方,反応時間が全体に延長したことは,かわいい動物の写真を見ると慎重に行動するようになる可能性を示唆している。