日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P2-C04
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ポスターC
顔と声の同時性判断における話者の親近性の影響の検討
*氏家 悠太高橋 康介
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抄録
聴覚と視覚の入力が統合されるか、別々に処理されるかは、聴覚と視覚の情報の一致度に依存する。他方、視聴覚音声知覚では、刺激に対する親近感が統合に影響することが示されている。本研究では、発話者に対する親近性が視聴覚統合の時間的処理に影響するかを、日本人大学生を対象に検討した。親近性の操作として、East Asian(高親近性)とCaucasian(低親近性)の発話動画を用いた。実験では、視聴覚の同期性(-800ms~+800ms)を操作して、視聴覚刺激を参加者に提示し、聴覚刺激と視覚刺激が時間的に同期してるかを判断させた。時間的統合処理の指標として、Temporal Binding Window (TBW)を算出し、分析に使用した。結果では、高親近性条件のTBWの幅は、低親近性条件のTBWの幅と同程度であり、発話者の親近性は視聴覚刺激の時間的処理にほとんど影響を与えないことが示された。本発表では、近年の視聴覚統合の脳内処理過程の知見と合わせて、顔の親近性が視聴覚統合に与える影響について議論を行う。
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© 2022 日本認知心理学会
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