日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P2-C05
会議情報

ポスターC
パワーアシストスーツの着用による作業者の物体化の検証
*宮崎 由樹蔵冨 恵
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
労働時の負荷軽減やケガ防止等を目的に,パワーアシストスーツの試験的導入がはじまっている。本研究は,パワーアシストスーツを装用することで,装用者が物体的に認識されるか検証した。参加者は,パワーアシストスーツを着用して大きな荷物を運搬する人物(ロボット着用群),または着用せずに運搬する人物(ロボット非着用群)を観察し,機械らしさ/人間らしさを測る項目およびMind Perception尺度に回答した。その結果,非着用群にくらべてロボット着用群では,機械らしさは高く評価され・人間らしさは低く評価された。ただし,Mind Perception尺度による評価では,ロボット非着用群にくらべて,ロボット着用群では正の経験性(喜び等を経験する能力)は高く,負の経験性(痛み等を経験する能力)は低く評価された。これらの結果から,パワーアシストスーツの着用は,機械らしさを増大させ・人間らしさを低減させるが,だからといって,機械のように経験性に乏しい物体と判断されるわけではないことが示された。
著者関連情報
© 2022 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top