主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第20回大会
回次: 20
開催日: 2022/10/15 - 2022/10/16
2020年から続くコロナ禍でマスク着用生活を余儀なくされている。マスク着用は,表情や印象の評価などの顔の認知処理を変調することが示されている。本研究では,さらにマスクの着用が年齢推定にどのような影響を及ぼすのかについて検討した。成人の顔写真 (無加工写真) について,若く見えるように加工した写真 (若加工写真) と老いて見えるように加工した写真 (老加工写真) を作成した。さらに,これらの3種類の写真に対してマスクを合成した写真 (マスク有条件) と合成を施す前の写真 (マスク無条件) を刺激として用いた。参加者の課題は,これらの顔写真の年齢を推定することであった。実験の結果,マスク有条件に比べて,マスク無条件の方が年齢加工の影響が顕著であった。これらの知見は,顔の比較的下側の局所特徴 (口元など) が年齢の推定をある程度左右することを示唆している。