日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P2-A15
会議情報

ポスター
感覚統合において何が統合の重み付けを決めるのか?
曖昧な聴覚刺激がダブルフラッシュ錯覚に与える影響
*松本 花香伊藤 優樹小林 耕太
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
感覚統合では,各モダリティの信頼性に基づいて知覚が決定される.ダブルフラッシュ錯覚は、時間分解能の高い聴覚が視知覚を変化させると考えられている。しかし,統合の重み付けは入力情報毎の情報信頼性に依存するのか,モダリティ毎の正確性に依存するのかは明らかになっていない.本研究では,振幅変調音の変調度を変化させることで知覚しやすさを操作し,曖昧な聴覚刺激では視覚刺激により聴知覚を変化させられるかを調べた.2回と知覚する割合が50%程度の曖昧な聴覚刺激と視覚刺激を2回提示すると,聴覚刺激を2回と知覚する割合が上昇した.一方,視覚刺激1回と,2回と知覚する割合が約80%の聴覚刺激を提示すると,視覚刺激を2回と知覚する割合は上昇した.しかし視覚刺激1回と曖昧な聴覚刺激を提示すると,視覚刺激を2回と知覚する割合は変化しなかった.従って,入力情報毎の情報信頼性に基づいて,統合の様式が決定されていることが示唆された.
著者関連情報
© 2022 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top