抄録
日本舞踊の評価における家元の有している評価構造を明らかにするため、ある流派の日本舞踊の家元と日本舞踊経験者、未経験者に対し感性評価実験を行った。まず、家元から得られた評価データに対して因子分析を行い、その結果と家元の意見をもとに家元自身の評価モデルを作成した。家元の評価モデルを用いて経験者群と未経験者群の評価データに対し共分散分析を行った。各々の適合度指標の結果から、演技経験の有無が家元の評価モデルとの適合度に与える影響を定量的に明らかにする。また、経験者群と未経験者群においても因子分析を行い、家元と経験者、未経験者のそれぞれの因子項目を比較することで経験によって有する評価項目や、家元のみが有する評価項目についての検討を行う。当日はこれらの結果から日本舞踊の表羽化に対して、演技の熟練度が与える影響について議論する。