日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_D27
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ポスター(知覚・感性)
孤立効果パラダイムを利用した記憶の非流暢性効果の検証
*井上 和哉石井 梨花
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抄録
記憶の非流暢性効果とは,読みにくい(非流暢な)書体で提示された情報がそうではない情報よりも記憶されやすい現象である。この効果の生起に重要な要因として,流暢な情報の中に非流暢な情報を突発的に導入することが指摘されている。しかし,このことは十分検証されていない。本研究では,孤立効果のパラダイム(等質な刺激の中に異質な刺激を導入し,記憶成績を高める方法)を利用し,突発的な非流暢性が記憶を促進するかを検討した。実験参加者には,12個の単語を一つずつ系列的に提示し,自由再生することを求めた。単語は流暢な書体または非流暢な書体で提示され,試行の半分で一つの単語のみが異質な書体(流暢な書体の中に一つだけ非流暢な書体,またはその逆)で描画されていた。その結果,孤立効果は生起したが,その効果は書体の影響を受けなかった。この結果は,突発的な非流暢性は非流暢性効果に重要ではないことを示している。
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© 2023 日本認知心理学会
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