私達は様々な情報を記憶しているが, 視覚性ワーキングメモリにおいて記憶できる情報量は3, 4個である(Luck and Vogel, 1997)。記憶できる量には限りがあるものの, 増やす方法として情報を圧縮するチャンキングがある(Gilchrist, 2015)。チャンキングは情報に対して馴染みがある場合や知覚特性がある場合に起きるが, メカニズムは完全には明らかになっていない(Gilchrist, 2015)。本研究では, 視覚性ワーキングメモリ課題において知覚特性があるチャンキングが記憶容量に与える影響を調べることを目的とした。成人を対象に, コンピューターで幾何学図形を使用したワーキングメモリ課題における正答率を調査した。実験の結果, チャンキングしやすい図形の方がチャンキングしにくい図形よりも正答率が有意に高くなり, チャンキングしやすい図形の方が記憶されやすいことが明らかになった。
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