日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_B15
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ポスター(思考・言語・注意)
知覚的な不快感の解消は競合適応も解消する
*蔵冨 恵
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抄録

私たちはこれまでの経験に応じて方略を調整することができる。例えば,干渉課題において,直前試行で競合を解消した後には,現試行の干渉量が減少する。これは競合適応と呼ばれ,認知的制御を反映している。近年では認知的制御と動機づけの相互作用が注目され,課題のフィードバックとして金銭的報酬が得られるとき,競合適応が消失することも確認されている。本研究では,好奇心による動機づけも競合適応を消失させるかを検討した。好奇心を誘発するために,ブラー画像を用いた。実験では,ブラー画像を手がかり刺激とし,干渉課題の正答毎に,それをクリア画像にした。その結果,ブラー画像後に正答に応じてクリア画像になるときには,そうでないときに比べて,競合適応が減少することが明らかとなった。これは,ブラー画像による知覚的好奇心は認知的制御を阻害する可能性を示唆している。

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