日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: O4-1
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VR環境下での視覚誘発性触知覚強度は接触物体色の輝度により調節される
*矢野口 恵尚*佐々木 浩亮*福井 隆雄
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抄録
本研究では,色の要素である輝度が視覚誘発性触知覚に与える影響を検討する.VR環境下で水平に延びる白い円柱の中を灰色の円柱型の接触物体が左から右に一定の速さで動き,白い円柱に触れている手腕モデルに衝突する位置にて初速度から減速率0%, 10%, …, 80%, 90%になる10条件の映像を提示した.接触物体色の輝度を4段階に設定し,輝度が手腕モデルとの間に生じる視覚誘発性触知覚強度へ与える影響を検討した.佐々木・福井 (2022)で視覚誘発性触知覚による掌表面温度の上昇が示唆されたため,視覚誘発性触知覚を与えない対照実験を実施し,掌表面温度変化に関してより詳細に検討した.自閉傾向や感覚処理特性を測る質問紙への回答や心拍カウント課題を行い,視覚誘発性触知覚の生成と個人特性との関連についても検討した.実験の結果,視覚誘発性触知覚は接触物体色の輝度が小さいほど生じる可能性と自閉傾向が高い人ほど生じやすいこと示唆された.
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© 2024 日本認知心理学会
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