日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P2-6
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配色が食品の味の予測と知覚に及ぼす影響
*小川 愛子*蘆田 宏
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会議録・要旨集 オープンアクセス

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抄録
ヒトは食品を摂取する際、眼前の食品に関する情報と過去の情報を照合することで、味予測を立ててから、実際の味知覚が起こる。予測と実際の味知覚には、差が生じることがあり、これは非確証性と呼ばれる。非確証性の効果は、主に4つの心理学的理論“同化―対比理論”として提唱されているが、実際にどういった条件下でどの理論が成立するかはほとんど検証されていない。本研究では、食品情報として、色に着目し、背景色と食品色の配色による試食前後の味覚と嗜好性の非確証性の効果を検証を目的とし、実験1,2を行った。両実験とも、弱い甘さを持つおいりを食品として使用し、実験1では、味覚として食品に存在する甘味、存在しない塩味、嗜好性としておいしさについて検証し、実験2では甘味、おいしさについて検証した。結果として、実験1では予測値に関して、食品色の効果、実験2では背景色の効果が主に見られた。これは、暖色、寒色という両極端な色が色の種類として入っている項目で、色の効果が生じたと考えられた。一方、実際値に双方の色の効果は見られず、色による非確証性の効果の差は見られなかった。
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