日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P2-14
会議情報

メラノプシンに受容された環境光が注意課題の成績に及ぼす影響
*齋藤 真里菜*中嶋 莉那*辻村 誠一
著者情報
会議録・要旨集 オープンアクセス

詳細
抄録
近年、視物質メラノプシンに受容された光が覚醒度を変えることが明らかになってきた。だが、先行研究の多くはメラノプシン刺激量を変えるために青色光を用いており、色の心理効果とメラノプシンの効果が交絡している状態である。本研究は、古典的な光受容細胞の刺激量を一定にして、メラノプシン細胞の刺激量のみを変化させるメタマー光を背景光として用いた。課題にはRSVP法を行いて、背景光の違いが注意の瞬き現象へ及ぼす影響を調べた。実験の結果、メラノプシン刺激量の低い背景の上では、第一標的刺激 (T1)の検出成績が良く、第二標的刺激(T2)の検出成績も良い傾向にあった。なお、条件間の交互作用は見られなかった。メラノプシン細胞は、主に環境光の受容を行うとされている。今後、注意や認知成績に良い効果をもたらす「適切なメラノプシン刺激量」が明らかになれば、照明環境の発展に役立てることができるだろう。
著者関連情報
© 2024 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top