日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P4-3
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伝達先記憶はソースメモリーより再認成績が低いのか?
ーGopie & Macleod (2009) の再現性検討ー
*陳 揚*北神 慎司
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抄録
情報を誰に伝えたかという記憶は,伝達先記憶と呼ばれている。この記憶は社交において重要な役割を果たしている。Gopie & Macleod (2009) では、伝達先記憶は情報を誰から得たかというソースメモリーより再認成績の低いことが示された。しかし、彼らのパラダイムの伝達先記憶とソースメモリーでは、難易度が同じベースラインのカウンターパートではなく、ソースメモリーの難易度がより高いと考えられる。つまり、Gopie & Macleod (2009) は手続きに問題があるため、再現性の低いことが示唆された。本研究では、Gopie & Macleod (2009) の再現性を検討するために、追試を行った。2つの実験の結果では、Gopie & Macleod (2009) が再現されず、伝達先記憶とソースメモリーの再認成績の間には有意な差が示されなかった。今後の研究では、Gopie & Macleod (2009) の2つの記憶のベースラインを統制して伝達先記憶がソースメモリーより再認成績が低いか検討する必要があると考えられる。
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