日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P4-6
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チョーキングによる認知制御妨害時の瞳孔反応の特徴
:安価な視線計測装置を用いた計測
*須藤 智
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抄録
チョーキングとは,時間制限や情動喚起によって生じる緊張によって認知制御が妨害される現象である(Beilock & Carr, 2001等).実験室内でチョーキングを発生させるための方法として,認知課題中の刺激間隔のリズムを変える方法が提案されている(須藤ら,2020)。チョーキングの発生は,主観評価等で確認することができるが,より客観的な指標が望まれる。そこで本研究では,客観的な指標として瞳孔反応が採用可能かどうか,近年登場している安価な視線計測装置(Gazepoint社製GP3)を用いて検討した。12名の参加者に対してAX-CPT70を課し,cue-probe間のISIがノーマルリズム条件(ISI=5000ms),ランダムリズム条件(ISI=5000msと500msが半々ランダム)の瞳孔反応(60Hz)を計測した。ISI(500ms間)についての瞳孔径の平均サイズを分析したところ,ランダムリズム条件で有意に瞳孔径が増大した。以上の結果からは,ランダムリズム条件の手続きが認知的負荷を高めること,安価な視線計測装置で計測した瞳孔反応がチョーキング発生の指標となる可能性が示唆される。
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