抄録
日常生活では、再認の正確さとその確信度には正の相関関係が成立すると考えられやすいが、再認の確信度が正確さを予測しないという現象が報告されているように、両者の関係は一貫していない。本研究では、再認課題の刺激としてコンパニオンアニマル (イヌ、ネコ、キンギョ) のイラストを用い、全身または身体の一部 (頭部または胴体) のイラストを事前学習した後に、全身のイラストに対する再認課題と確信度評定を行った。その結果、イヌ、ネコのイラストのほうがキンギョのイラストよりも再認成績と確信度が高かった。また、イヌとネコのイラストについては、事前学習で用いたイラストが頭部の場合に最も再認成績が高く、胴体の場合は最も再認成績が低かった。イヌとネコのイラストに対する再認の正確さと確信度評定の関係は不規則であり、再認の確信度が正確さを予測しないことが示唆された。