抄録
コロナ禍において、大学生は学習面、生活面、心理面など様々な側面において影響を受けている。
特に、留学生は帰国困難、将来への不安、差別体験などによって、様々な困難や不安を抱えている。 本研究は、日本の外国人留学生への COVID-19 の影響を明らかにするために、関連する 17 本の 研究についてレビューを行い、課題を整理し、今後の研究の方向性を示した。結果からは、日本滞在の留学生と未渡日の留学生の間に、抱える困難や不安に異なる点が見られた。また、学習言語、留学生の在籍課程によって抱える不安や困難の違いが見られた。さらに、コロナ禍が留学生の心理面にもたらす影響は大きく、彼らのメンタルヘルスが損なわれる可能性も見られた。中には、留学生の主体性、個人の成長の側面に焦点を当てた研究も見られた。今後、さらに留学生のメンタルヘルスに関する実態把握が求められると同時に、今まで以上に留学生の属性を意識した調査が求められる。