抄録
本稿は、国立A大学の留学生寮におけるオンラインツールSlack の活用実践を報告するものである。留学生寮は入居者の生活の場であると同時に、日常生活から緊急時まで多様な支援が求められる場であり、留学生、学生スタッフ、担当教職員の間で多層的な連絡調整が必要となる。しかし、対面やメールを基本とした従来の支援体制のみでは、情報共有や即時的な連絡対応に課題があった。そこでA大学では、この課題への対応の一つとして、留学生寮の関係者が参加するオンラインツールSlack を導入し、連絡および情報共有体制を整備した。Slack 導入の経緯、運用の枠組み、具体的な利用事例等を整理することで、オンライン上での日常的なやり取りの可視化や支援対応に新たな展開が見られた一方、利用状況の偏りや対面支援との役割分担の整理といった課題も浮かび上がった。本実践は、留学生寮におけるオンラインツール活用の一事例であり、留学生支援充実に関する具体的視点を提供するものである。