2011 年 49 巻 8 号 p. 8_23-8_29
PC道路橋の点検によって損傷や変状が顕在化し,構造性能が低下していることが予測された場合,当該橋梁の健全度を評価し,補修・補強等の対策を講じる必要がある。PC道路橋の健全度評価において,調査時点でのプレストレス状態を把握することは重要であり,プレストレス状態の推定手法の確立が課題となっている。本研究は,既に発生しているひび割れ性状の目視調査や実橋載荷試験によるひずみ挙動および桁の挙動性状等から,プレストレス状態の推定の可能性を検証したものである。検証の結果,本研究内で示された手法は,自動車荷重によって有害なひび割れを生じる可能性がある大きなプレストレス量の低下の有無を判断し,PC道路橋の構造性能を合理的に評価するための有効な手段となり得る可能性が示された。