コンクリート工学
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解説
日本建築学会「既存コンクリートブロック塀の耐震診断指針(案)・同解説」の刊行
五十嵐 泉
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2015 年 53 巻 3 号 p. 253-259

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抄録

我が国の建築物の敷地は,コンクリートブロック造による塀(以下,ブロック塀という)等で囲うことが多い。全国に現存するブロック塀は,建設時に確認申請がなされていないものがほとんどで,その構造は関連法令や日本建築学会のブロック塀設計規準に適合していないものが数多くみられる。既存ブロック塀は,大地震の発生のたびに多数倒壊して時には死傷者を出し,市街地の通行人が潜在的危険にさらされているといえる。また,道路側に倒壊したブロック塀は,地震災害時の緊急車両等の通行を阻害することが危惧されている。これらのこと等を踏まえ,日本建築学会の「既存メーソンリー構造耐震診断・改修検討小委員会」に「ブロック塀等の耐震診断・改修指針編集ワーキンググループ」(2010~2012年)を編成し,ここでの検討を基に,2014年3月に,「既存コンクリートブロック塀の耐震診断指針(案)・同解説」が刊行された。本稿ではその概要を紹介する。

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© 2015 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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