コンクリート工学
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解説
ジオポリマーの研究開発の現状
一宮 一夫
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2017 年 55 巻 2 号 p. 131-137

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抄録

ジオポリマーは水ガラス等のアルカリシリカ溶液とフライアッシュ等のアルミナシリカ粉末の縮重合反応で生成される固化体であり,ポルトランドセメントと同等またはそれ以上の性能を有する材料として近年関心が高まっている。ジオポリマーの特徴は,CO2排出量の大幅削減,フライアッシュ等の産業副産物の大量消費,重金属や放射性廃棄物の固定など多岐にわたる。一方,固化メカニズムの解明,セメントコンクリートの代替として用いる場合は施工性の改善や耐久性に関するデータの蓄積などが必要である。本稿では,ジオポリマーの使用材料や固化メカニズム,期待できる効果と当面の課題を説明したうえで,強度や耐久性などの基礎物性,国内外の研究の現状や実用化の例を紹介した。

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© 2017 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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