2019 年 57 巻 3 号 p. 207-212
小田急小田原線複々線化事業にあたり,下北沢駅付近では京王井の頭線の既設橋脚を撤去し,新しい鉄道橋への架け替えを行う必要があった。構築スペースや架設クレーンの制約および既存躯体への影響低減のため,新設桁にはUFC(超高強度繊維補強コンクリート)を使用し,その架け替えは,営業線の運行に支障がない短時間で完了する必要があった。そのため,最終形式では複数のUFCのプレキャスト桁を超速硬コンクリートによる間詰めとPC鋼材の緊張により一体とする単純ポストテンション方式UFCホロー桁橋構造を採用した。本報では,これらの使用材料・構造の特徴と,夜間の限られた時間内での施工とその品質を確実にするために行った多くの工夫について紹介する。