2019 年 57 巻 6 号 p. 433-440
日本工業規格(JIS)に書かれている作業項目を遵守することの重要性や測定機器の仕組みを理解してもらうことで,正しい試験方法が作業者に身に着くのではないかと考え,JISに記載の内容からあえて逸脱した条件でスランプ試験・空気量試験・圧縮強度試験を行った。使用するコンクリートはスランプ21 cmおよび12 cmのものを準備した。その結果,引き上げ時間がフレッシュコンクリートのスランプが最大で3.0 cm低下すること,空気量試験器に詰める試料の仕上げ方が異なる場合,最大1.5%空気量の測定値が変動すること,コンクリートが硬化する前に供試体を転倒させた場合,材齢28日での圧縮強度が7%程度低下することなどが確認された。