2020 年 58 巻 11 号 p. 865-870
プレキャスト複合コンクリートは,工場で製造されるハーフプレキャスト部材と施工現場で打ち込まれるコンクリートを一体化させたものである。プレキャスト複合コンクリートによる工法には,ハーフプレキャスト部材による安定した品質の確保,現場打ちコンクリートによる連続性,せき板の削減による環境負荷低減,施工の合理化・省力化などの特徴がある。その反面,本工法の導入にあたっては留意事項があり,綿密な施工計画,適切な作業手順・方法および入念な品質管理が必要となる。それらを示したものが,日本建築学会「プレキャスト複合コンクリート施工指針・同解説」である。2019年10月に本指針が改定されたので,その改定版の概要を紹介する。