コンクリート工学
Online ISSN : 2186-2753
Print ISSN : 0387-1061
ISSN-L : 0387-1061
テクニカルレポート
バクテリアを活用した自己治癒コンクリート技術
劉 宏涛
著者情報
ジャーナル 認証あり

2021 年 59 巻 11 号 p. 933-937

詳細
抄録

本稿では,コンクリート構造物の耐久性確保および長寿命化実現を目的として開発した,バクテリアの代謝活動でコンクリートのひび割れを自己治癒する技術を紹介するものである。この技術は,コンクリート製造時にBacillus属の特殊バクテリアと餌の元となるポリ乳酸で構成された自己治癒材を混入して,硬化後にコンクリートにひび割れが発生した時,バクテリアが餌を分解し析出した炭酸カルシウムで,最大幅1 mmのひび割れを閉塞することができる。また,本技術のサステナビリティ効果を,社会的側面・経済的側面・環境的側面の3要素からも評価した。その結果,本技術は,サステナブル社会の構築にインフラ・建築物の建設資材として大きく貢献できることが分かった。

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 日本コンクリート工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top