鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁構造は,柱と梁が異なった構造材料で構成される混合構造である。柱は圧縮力に強い鉄筋コンクリート造,梁には断面性能に優れたH形鋼を使用しており,比較的大きなスパンの架構を合理的に構築できる。一方で,このように異なる構造材料で構成された柱と梁が交差する柱梁接合部では,部材間の応力伝達機構が複雑であり,その設計法に特徴がある。日本建築学会では鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁構造の健全な普及を目的として「鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造設計指針」を2021年2月に刊行した。本稿では指針の概要を紹介する。