2023 年 61 巻 3 号 p. 239-246
チッピングによる目荒らしは,鉄骨ブレースや増し打ち壁を用いた耐震補強の接合面等,コンクリートの接合面に多く用いられている。著者らは,チッピングに代わる目荒らしとして,施工環境に配慮し,一律の形状で形成できる円柱状シアキーを開発した。円柱状シアキーは,湿式コアドリルを用いることで,施工時の騒音,振動,粉塵を抑制でき,更にせん断耐力の評価が可能で,施工後の管理が容易となる特徴を有する。本稿では,円柱状シアキーの施工現場における環境測定から,施工方法,耐力評価及び増し打ち壁補強工法への適用について報告する。