民族共生象徴空間の主要施設として整備された国立アイヌ民族博物館は,周囲の自然と一体となった建物形状とし,高床式様の特徴的な形となっている。片持ち架構,複雑な屋根形状,高い階高,大空間の諸室,開放的なロビー空間といった条件に対して,特徴的な建物形状を構造要素として利用しながら解決を図った。特に,ポロト湖を眺望できる2階のパノラミックロビーは,長大な片持ち架構,居住性への配慮,吹き抜けとの関係など構造的な課題が多かった部位であった。構造計画概要に加え,パノラミックロビーの構造計画と,その施工計画について紹介する。