2025 年 63 巻 2 号 p. 137-143
コンクリート業界においてCO2排出量削減を目的としてセメントの使用量を大幅に減じたコンクリートの開発などが多方で進められている。一方,プレキャストコンクリート部材製造時に初期強度発現促進のために行われる蒸気による加熱養生では,ボイラーでの重油燃焼により多くのCO2が排出される。このため,筆者らは蒸気養生を行うことなく,所要の初期強度が得られる速硬性に優れたプレキャスト部材用コンクリートを開発し,基礎物性の確認を経て,橋梁上部工のプレキャスト部材への適用機会を得た。試算の結果,約320m3のプレキャストコンクリート部材製作において,従来の部材製造過程に比べ,15t以上のCO2排出量削減効果が得られた。