【目的】看護師における妊娠期の症状と上司・同僚の支援の実態について明らかにすることとした.【方法】7 病院の看護師に無記名自記式質問紙調査を実施し,妊娠経験のある693 名を対象とした.【結果】つわり等妊娠期に症状を抱えていた者は46.8~86.8%で,母性保護・母性健康管理に関する措置を受けなかったと回答した者は33.0~63.3%,上司・同僚に配慮してもらえなかったと回答した者は37.5~47.6%だった.嬉しかった上司・同僚の支援は,《肯定的メッセージの伝達》,《継続的な助言と相談》,《業務の負担軽減》,《妊娠者への安全配慮》だった.【考察】嬉しかった上司・同僚の支援として実例があげられた一方,大半が妊娠期に症状を抱える中,母性健康管理等に関する措置や安全配慮といった支援を十分に受けられていない現状が示唆された.【結論】妊娠期の看護師に関する労働安全衛生教育により支援への理解促進を図ると同時に,母性健康管理等に関する措置の徹底を図る必要がある.