コンクリート工学
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高張力鋼を用いたSRC構造
若林 實
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1990 年 28 巻 11 号 p. 5-13

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抄録

SRC構造に使用できる鋼材は, 現在のところSM53以下となっている。高張力鋼のSRC構造への適用を推進するため, 3か年計画の実験的研究が行われた。この研究で得られた成果は, (1)高張力鋼を使用したSRC部材の強度は, 鋼材の降伏点またはコンクリートの圧縮強度を調整することによって, 累加強度式を適用して求あることができる, (2)高張力鋼を用いたSRC部材のほうが, 普通鋼を用いた部材より粘り強い, (3)断面欠損のある鉄骨を用いる場合は, 欠損部分を鉄筋で補強することによって耐力低下が補われ, 脆性破壊が避けられる, (4)L形フープで靭性が確保できる, (5)S部分とRC部分の剛性を組み合わせることによって, SRC部材のクリープたわみを推定することができる。本稿では, これらの研究結果により, 高張力鋼を用いたSRC構造の設計法と詳細設計の方法とを提案した。

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