1993 年 31 巻 9 号 p. 28-32
ひびわれを許容するコンクリート不静定構造物の使用状態における断面力の算定は, 実用的な観点から一般に線形解析によって行っているが, ひびわれによる部材の剛性低下の影響が大きい場合には, これを考慮して非線形解析により断面力の算定を行うことが実際の力学的挙動を反映できることになる。しかし, 一般に非線形解析は複雑であり実用的とはいい難い。このため本稿では, 設計の実務に寄与するため線形解析的手法による計算法を提示した。この方法による計算値は, 非線形解析による計算値との差が小さく実用的に十分な精度を有することが認められた。また, パーシャルPC連続げた橋を対象として実用計算法による数値計算例を示した。