コンクリート工学
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表層部のコンクリート強度について
佐伯 昇堀口 敬菅原 隆
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1995 年 33 巻 10 号 p. 5-12

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抄録

コンクリートの表層強度は, 耐久性の評価はもとより現場強度を評価するのに有効である。表層強度は一般に二つの破壊モードに分かれる。それらはPull-out試験の場合, 加圧部の深さと反力支点の距離による。すなわちひび割れ伝播における引張破壊のMode Iとせん断破壊のMode IIである。ここでは主にMode Iを扱っている。引張強度に対する表層強度の比は加圧部の径に対する深さの比の約1.6乗に比例すること, 混合セメントの場合養生条件の影響を普通セメントに比較して強く受けること, シリカフュームや透水性型枠は表層強度の向上に有効であることなどが述べられている。一方, 非破壊試験としてのPull-out試験によるせん断強度, 圧縮強度などの推定方法はほぼ確立されている。

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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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