抄録
昭和13年に竣工したRCゲルバー荒川橋を対象として, 非破壊試験やコア採取による種々の材料物性試験を実施するとともに, 建設当時のコンクリート材料の分析や60余年経過したコンクリートの劣化状態を調査分析した。また, 現地においてゲルバーヒンジ部の曲げせん断載荷実験の実施, 材料試験の結果を踏まえた構造性能評価によって, 今後の構造劣化予測, 補修に対する貴重な資料を得た。現状の劣化予測技術で番不明と考えられている鉄筋腐食劣化と構造劣化との関係を明確にするために, 荒川橋の吊りげたを採取し, 劣化促進実験を実施して, 検証データを得る予定である。ここで得られた資料は, この当時のゲルバー橋に対する劣化診断・補修のための基礎資料を提供するばかりか, RC構造物のライフサイクルコストを考えるうえでの検証データとして活用できるであろう。