土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
スケジューリングアプローチによる都市鉄道の列車遅延及び定時性の経済評価
小林 渉福田 大輔岩倉 成志
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2020 年 76 巻 3 号 p. 236-250

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抄録

 本研究では,旅行時間信頼性評価の代表的アプローチの一つであるスケジューリングアプローチに立脚して,都市鉄道の列車遅延及び定時性の経済便益評価を行うための分析枠組を構築した.“旅行時間変動”と“運行ダイヤからの列車発着の乖離”を明示的に考慮してスケジューリングアプローチの拡張を行い,東京圏鉄道通勤者の実行動データと列車運行実績データを統合的に活用して鉄道乗車時刻選択モデルのパラメータ推定を行った上で,旅行時間変動価値を推計した.更に,ケーススタディとして通勤者の始業時刻分散施策の評価を行った.具体的には,鉄道乗車時刻選択モデルと列車運行シミュレーションを用いて行動変化予測を行い,既存研究を参考に時間価値を設定して施策の利用者便益を試算したところ,約23円/(人日)という試算結果が得られた.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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