2005 年 43 巻 7 号 p. 26-33
(社) 日本橋梁建設協会においては鋼橋の新しい床版のひとつとして, 高耐久性の観点からPC床版に着目した研究を進めてきた。その研究においてコンクリートに膨張材を添加した場合, 材齢初期の水和熱による温度応力で発生するひび割れを抑制する効果があることが判明した。本文には, 場所打ちPC床版の研究で実施してきた新たな性能評価試験などから膨張材を添加したコンクリートの膨張ひずみの温度依存性や有効ヤング係数などの温度応力解析を行う場合の入力初期値について示す。さらに, 施工実績の多い床版支間6mの2主桁橋について, 水和熱による温度応力および膨張材の効果が定量的に判断できる「概略応力値」について報告する。