日本調理科学会誌
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キャッサバデンプン配合麺の調製時におけるむらし操作時間導入の効果に関する研究
江口 智美山崎 理加吉村 美紀
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2011 年 44 巻 6 号 p. 417-426

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抄録
キャッサバデンプン配合麺の調製時にむらし操作を導入した場合の省エネルギー効果と嗜好性の変化を明らかにすることを目的に,物性変化と官能特性,消費電力量を測定した。試料として,キャッサバデンプンを6%配合したキャッサバデンプン配合麺と,小麦粉麺を用いた。
ゆで時間を10分間から3分間に短縮し,むらし調理を導入することで,消費電力量を32%削減でき,嗜好性が低下することもなかった。特に,キャッサバデンプン配合麺を3分間ゆでた後6分間むらしたものが,もちもち感と麺の真ん中の噛みごたえのよさから最も好まれる傾向にあった。ただし,小麦粉麺との比較から,嗜好性への影響は,キャッサバデンプンの配合よりも,むらし時間の差の方が大きいことが分かった。物性としては,キャッサバデンプン配合麺はむらし時間が長くなるほどやわらかくなるのに対し,小麦粉麺はむらし時間が長くなっても途中から硬さは変わらなくなることが分かった。以上より,キャッサバデンプン配合麺は,むらし調理による省エネルギー効果が期待でき,むらし時間が食感に影響する麺であることが示された。
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© 2011 一般社団法人日本調理科学会
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