日本調理科学会誌
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平成30年度日本調理科学会学会賞受賞記念論文
平成30年度日本調理科学会奨励賞受賞記念論文
報文
  • 竹村 諒太, 本田 真己, 深谷 哲也
    原稿種別: 報文
    2019 年 52 巻 2 号 p. 57-66
    発行日: 2019/04/05
    公開日: 2019/04/26
    ジャーナル 認証あり

    トマトやその加工品に豊富に含まれるリコピンは強力な抗酸化能を有している 。しかし,植物中のリコピンはtrans体として存在し,trans体リコピンは体内吸収性が低いことが知られている。一方で,トマト加工品には,cis体リコピンが豊富に存在し,体内に吸収されやすいことが報告されている。また,最近の研究では,リコピンはオリーブオイル,たまねぎと一緒に加熱されると,trans体からcis体への熱異性化が促進されることが報告されている。そこで我々は,家庭において一般にトマトと一緒に調理されている野菜からリコピンの熱異性化を促進する野菜を調査したところ,たまねぎに加えてにんにく,ブロッコリー,キャベツがリコピンの熱異性化を促進することを明らかにした。さらに,たまねぎ,またはブロッコリーを使用した一般的なトマト料理の加熱調理がリコピンの熱異性化に及ぼす影響を調査した。その結果,トマト料理の加熱調理においてもたまねぎ,またはブロッコリーの使用は,リコピンの熱異性化を促進した。

  • 今村 美穂, 牛尼 翔太, 宮田 慎吾
    原稿種別: 報文
    2019 年 52 巻 2 号 p. 67-80
    発行日: 2019/04/05
    公開日: 2019/04/26
    ジャーナル 認証あり

    郷土料理としょうゆの相性を検討するために,北海道の郷土料理「芋もち」と全国共通の料理「冷奴」を北海道,関東および九州のしょうゆで調味し,北海道在住の女性6世代(幼児,小学生,中学生,大学生,成人,高齢者)約50人ずつを対象に官能評価を行った。その結果,北海道の郷土料理である芋もちは,香り,色,味のいずれにおいても北海道のしょうゆで調味したものが好まれた。また,印象の評価においても高い評価を得た。冷奴についても,北海道のしょうゆは嗜好性と印象の双方で評価が高かった。なお,地元のしょうゆとその他の地域のしょうゆで調味した料理の評価に違いが現れるのは,中学生ころからであった。さらに,北海道のしょうゆを高く評価した被験者の共通点について検討したところ,芋もちの調味では年代という因子が抽出された。したがって,食生活の内容よりも,北海道に住み,そこで日々の食生活を送ることそのものが地元の味覚を育むために重要と考えられた。

  • 今井 悦子, 小林 久子, 今村 美穂
    原稿種別: 報文
    2019 年 52 巻 2 号 p. 81-92
    発行日: 2019/04/05
    公開日: 2019/04/26
    ジャーナル 認証あり

    しょうゆと郷土料理の相性を知り,また料理の嗜好性等に対する食生活の影響を検討することを目的とした。試料は北海道,関東,九州の各2種類のしょうゆを用いた関東の郷土料理「関東風大根の煮物」と全国共通の料理「冷奴」とした。関東在住の幼児から高齢者を対象として官能評価を行い,食生活等の質問紙調査を行った。大根の煮物の嗜好性において相性がよかったのは関東と九州のしょうゆであった。また冷奴の嗜好性において相性がよかったのは,関東1種類および九州1種類のしょうゆであった。大根の煮物も冷奴も,早ければ幼児から試料の特徴の違いを嗜好の差として感知する可能性があると考えられた。味の嗜好性および普段の味かどうかについて,パネルの食生活等との関係を検討した。その結果,関東のしょうゆを用いた大根の煮物を普段の味と思う人の割合は,幼児より小学生以上の年代において高かった。また,関東のしょうゆを用いた冷奴の味を好む人の割合は,家庭の味付けが首都圏の人々,普段の味だと思う人の割合は,首都圏の味付けで居住年数が10年以上の人々において高いことがわかった。

  • 武田 珠美, 木本 いつか, 大友 裕絵, 今村 美穂
    原稿種別: 報文
    2019 年 52 巻 2 号 p. 93-102
    発行日: 2019/04/05
    公開日: 2019/04/26
    ジャーナル 認証あり

    北海道,関東,九州の各しょうゆと九州の郷土料理「だご汁」との相性について,熊本在住の幼児から高齢者の6世代を対象に嗜好型官能評価により調べた。冷奴を参考として用いた。また,料理の評価にしょうゆによる違いが現れる年代を検討した。官能評価結果への食生活の関与を決定木分析により調べた。Wilcoxonの符号順位検定の結果,だご汁と関東Aおよび九州のしょうゆの相性が良いと評価したが,冷奴は九州のしょうゆと相性が良いとした。だご汁,冷奴ともその嗜好評価にしょうゆによる違いが現れるのは,中学生からであると考えられた。

    冷奴の「味の嗜好」の評価において,九州のみ評価点が高い人は熊本居住が10年以上,さらに成人以下の年代でしょうゆを使った料理の摂取頻度が2日に1回以上の人に多く,地元しょうゆに対する嗜好の形成が示唆された。

ノート
  • 柴田 圭子, 高見 朋子, 関 桃子, 渡邉 容子
    原稿種別: ノート
    2019 年 52 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 2019/04/05
    公開日: 2019/04/26
    ジャーナル 認証あり

    薄力小麦粉の30%を純ココア粉末で置換したスポンジケーキの品質および食味におよぼすバッター調製時のゴムベラでの撹拌回数の影響を検討した。撹拌回数は20~50回まで10回刻みで行い, S20,S30,S40,S50とした。対照試料(ココア粉末20%)は50回撹拌したもので,前報より用いた。

    バッター比重はS50が対照試料より有意に高値であった。ケーキ比容積はS20およびS50において,対照試料よりも有意に低値であった。ケーキの硬さは,対照試料と全ての回数間に有意差はみられなかった。しかし,ケーキ気孔壁の塑性によるひずみや構造の圧密の程度を示すと考えられる凝集性は,S20とS30で有意に低値を示した。バッター比重,ケーキ比容積,力学的物性などの測定から考えると,ココア粉末置換率30%の場合,対照試料と同程度の品質のケーキにするためには,撹拌回数を40回とするのがよいと結論した。

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