日本調理科学会誌
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最新号
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2025年度日本調理科学会学会賞受賞記念論文
2025年度日本調理科学会奨励賞受賞記念論文
ノート
  • 松本 雄一, 有島 健真, 青山 日和
    原稿種別: ノート
    2026 年59 巻2 号 p. 100-106
    発行日: 2026/04/05
    公開日: 2026/04/07
    ジャーナル オープンアクセス

     マメ科作物におけるニコチアナミンの乾燥重量および湿重量当たりの含量を調査した。さらに各品目について一般的なゆで調理による含量への影響を調査した。各品目のニコチアナミン含量は,湿重量 100 g当たりではダイズが特に高含有で,次いでアズキおよびアピオスの含量が高いことが示された。ラッカセイおよびヒカマにはほとんど含まれていなかった。調理によるニコチアナミンの減少率は,ダイズは水浸漬20時間およびゆで調理15分により11.8%~18.3%減少した。ゆで調理30分間以降はさらに減少した。アズキも同様の傾向を示した。エダマメおよびサヤインゲンはゆで時間による差は認められず,概ね40%程度の減少であった。アピオスもゆで調理により40%減少した。しかしながら,アピオスはゆで調理後においても4個程度でニコチアナミン 1 mgを摂取できることからニコチアナミン摂取源として実用的と思われた。

資料
  • 渡壁 奈央, 藤井 歌穂, 北尾 美樹, 宇田川 心優, 杉山 寿美
    原稿種別: 資料
    2026 年59 巻2 号 p. 107-118
    発行日: 2026/04/05
    公開日: 2026/04/07
    ジャーナル オープンアクセス

     戦国期毛利氏に関わる饗応献立が記された『元就公山口御下向之節饗応次第』『益田藤兼・同元祥安藝吉田一献手組注文』『明応九年三月五日将軍御成雑掌注文』『輝元様聚楽御亭江秀吉公御成記』の膳や献の数,それぞれの膳や献の汁や菜の配置とその内容を比較検討した。

     4つの史料に記された饗応の膳数,献数は異なっていたが,それぞれの膳や献に配置される汁や菜の数は,膳部では,本膳および二の膳の菜,汁の数は一致しており,いずれの饗応でも,膳部ではかうの物,ふくめ鯛,この子,かまほこが,献部では初献に雑煮,点心に麦が供されていた。また,献部では,4つの饗応で,膳の手前に鳥類や魚類,向うに貝類や海老・くらげが配置されていた。一方,『明応九年三月五日将軍御成雑掌注文』の三の膳では御わけの供御として飯が,点心の献では三ほうせん,まんちう,むし麦に加え,4種の羹が供されており,4つの饗応間で違いも認められた。

  • 荒井 恵美子, 出口 智博, 大武 義人
    原稿種別: 資料
    2026 年59 巻2 号 p. 119-129
    発行日: 2026/04/05
    公開日: 2026/04/07
    ジャーナル オープンアクセス

     ヨウ素でんぷん反応を用いて,油脂の劣化を検出する手法である市販の簡易型過酸化物価測定キットPOVテスターの検証を,示差走査熱量計(DSC)を用いた酸化開始温度,粘度,色の劣化評価手法を併用して行ない,POVテスターは揚げ物具材のでんぷんの影響を受けることなく,信頼できる劣化評価手法であることを確認した。また,劣化油で揚げた天ぷらは,未使用油で揚げた天ぷらより劣化進行が速いことが過酸化物価および酸化開始温度より確認できた。このため,高温で長時間使用した油脂を揚げ油に用いることは,さらに劣化促進に影響を及ぼすことが示唆された。

  • 黒飛 知香, 多山 賢二, 岡本 洋子
    原稿種別: 資料
    2026 年59 巻2 号 p. 130-141
    発行日: 2026/04/05
    公開日: 2026/04/07
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究では,広島菜を用いて,賞味期間を長くすることが期待できる乳酸菌発酵減塩漬物(古漬け)の短期調製方法について検討した。まず,重石を使用し,放置温度を10℃とする従来法にて,市販糠床について調べた結果,酸味を呈する2種類を得た。この2種類を用いた場合,短期製法(重石なし・20℃)で試作した漬物は酸の生成が少ない傾向がみられ,乳酸菌の生菌数も少なかった。しかし,官能評価における総合的なおいしさの評価では,従来法と比較して有意な差が認められなかった。

     次に,下漬け前に菜の湯浴による加熱処理を行い,本漬け開始時に食酢を少量添加し,乳酸菌源に市販発酵乳を,補助栄養源にコンソメを用いる方法を検討した。その結果,充分な乳酸菌の増殖(>2×108 CFU/mL)が認められ,酸味を呈する発酵漬物となった。試作品の菜中の食塩換算濃度は2.5%程度(L-乳酸濃度は0.4%前後)であり,試作品は比較的低塩の漬物とみなすことができた。

  • 児玉 ひろみ, 豊満 美峰子, 鈴木 布由実, 小西 史子
    原稿種別: 資料
    2026 年59 巻2 号 p. 142-150
    発行日: 2026/04/05
    公開日: 2026/04/07
    ジャーナル オープンアクセス

     包丁技術の向上に及ぼす指導方法の効果を検討するために,3種類の指導方法,添え手を指導するA法,包丁の動かし方を指導するB法,添え手と包丁の動かし方を指導するAB法を,短期大学部学生を対象に実施した。包丁技術の目標は,設定された厚さで均一に切ることとし,大根半月切りの4か所(上・下・刃元側・刃先側)の厚さを計測し,厚さの均一性,枚数と成功率を確認した。

     厚さは,A法では4か所すべてが薄くなり,B法では上と刃先側,AB法では刃先側だけ薄くなった。厚さの均一性は,A法で上下差が小さくなり均一性が向上したが,B法,AB法では,均一性の向上はみられなかった。枚数と成功率は,A法では失敗枚数が増え成功率が下がり,B法では枚数が減少したが,AB法では合計枚数が増え,成功枚数も増える傾向がみられた。

     以上の結果により,厚さと均一性の向上の点から指導初期にはA法が効果的であり,添え手の習得状況によって段階的にAB法での指導が必要であると考える。

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