日本調理科学会誌
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紫黒米混合飯の色調と物性に与える有機酸の影響
岸本 律子長谷川 悦子中嶋 加代子森 光寿地上 博子
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2013 年 46 巻 2 号 p. 107-113

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抄録
 紫黒米混合飯(混合飯)の色調と物性に及ぼす有機酸の影響について検討した。白米ヒノヒカリ(H-rice)と紫黒米むらさきの舞(M-rice,搗精歩留まり90%,同95%,玄米)を重量比9:1の割合で混合し,炊飯溶液に0.2M有機酸(酢酸,乳酸,コハク酸,リンゴ酸またはクエン酸)を添加して混合飯を調製した。混合飯のL*値は低下し,むらさきの舞の搗精歩留まりが高いものほど低下した。a*値は添加した有機酸のpHが低くなるに従い,同じ有機酸ではM-riceの搗精歩留まりが高くなるに従い上昇した。H-riceおよびM-riceの飯粒の破断応力は,すべての有機酸において,蒸留水よりも顕著に低下した。白飯(H-riceのみ)および混合飯のかたさ応力はリンゴ酸およびクエン酸添加で,蒸留水よりも顕著に低下し,凝集性および付着性はすべての有機酸で上昇した。以上の結果から,0.2M有機酸添加は混合飯の色調および物性を改善する効果があると考えられる。
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© 2013 一般社団法人日本調理科学会
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