調理科学
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マカダミア・ナッツ(Macadamia ternifolia)のタンパク質について
光永 俊郎安達 潤子蔵前 栄子荒堀 圭子
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1982 年 15 巻 4 号 p. 217-221

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抄録

1)マカダミアナッツの可溶性タンパク質を,水,食塩水,アルコール溶液,水酸化ナトリウム溶液を用いて分別抽出した.抽出率は97%であり,主画分は,アルブミンで,総タンパク質の約70%を占めていた.次いで,グルテリン,グロブリン,プロラミンの順であった.
2)各タンパク質画分の電気泳動像は,それぞれ特徴のあるパターンを示し,各画分とも多種類のポリペプチドよりなり,プロラミン,グルテリン画分は,高分子ポリペプチドを多く含んでいた.
3)各画分のアミノ酸組成は,グルタミン酸,アルギニンの高含量,含硫アミノ酸の低含量を特徴とし,アミノ酸価は,17.1から51.4であった.全タンパク質は51.4でごまのタンパク質とほぼ同じ値を示した.
4)アルブミン画分は,ゲル濾過により,6画分にわけられた.さらにこれらの画分の電気泳動像は,それぞれ3~10種のパンドが認められ,極めて多種類の構成ポリペブチドよりなることを示した.

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© 一般社団法人日本調理科学会
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