日本調理科学会誌
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味噌漬カツオ肉と漬味噌におけるタンパク質および遊離アミノ酸の変動とプロテアーゼ活性について
山崎 歌織外西 壽鶴子御木 英昌
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2008 年 41 巻 3 号 p. 189-195

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抄録

鮮度低下の速いカツオ肉の保存性を高め美味しさを保持するための試みとして,本研究は九州一円で使用されている麦味噌を用いてカツオ肉を味噌漬し,味噌漬中タンパク質の性質の変化を調べた。カツオ肉を味噌漬することにより, SDS-PAGE 解析の結果, 味噌漬カツオ肉には分解されやすいタンパク質, また味噌へ溶出しやすいタンパク質があることが判明した。また,多くの種類の遊離アミノ酸量は味噌漬期間に伴い味噌漬カツオ肉において増加する傾向にあった。さらに,漬味噌および味噌漬カツオ肉のプロテアーゼ活性と阻害効果を調べたところ,味噌にはアスパラギン酸プロテアーゼとセリンプロテアーゼが含まれていることが示唆された。無処理カツオ肉にはプロテアーゼ活性はほとんど検出されなかった。しかし,興味あることにはカツオ肉を味噌漬することによりpH7におけるプロテアーゼ活性が検出された。このプロテアーゼは味噌漬期間10日間で最大活性を示し,セリンプロテアーゼの阻害剤であるAEBSFで阻害された。

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