日本調理科学会誌
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韓国の馴れずし(シッケ)の成分組成および微生物について
室 香鈴角野 猛趙 舜栄鄭 震九藤本 健四郎
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2008 年 41 巻 4 号 p. 262-268

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抄録
シッケは, 韓国の伝統的な魚の発酵食品であり, カレイやイカと, 粟, 唐辛子, 食塩等と漬け込み発酵したものである。江陵市で購入した6 検体について, 遊離アミノ酸組成, 脂肪酸組成, および微生物の種類と生菌数等を分析した。
得られた結果は次の通りである。
1.Na量,K量,食塩濃度および水分活性はそれぞれ平均,1,157±279mg/100g,261±63mg/100g, 2.9±0.7%および0.945±0.018 であった。
2.遊離アミノ酸総量は平均2,277±273mg/100gであった。主な遊離アミノ酸は,グルタミン酸,γ-アミノ酪酸(GABA)およびアラニンであった。
3.主な脂肪酸は, リノール酸, オレイン酸, およびパルミチン酸であった。また, EPA やDHA のようなn-3系不飽和脂肪酸は,総脂質量の16.3%を占めていた。
4.一般生菌数,乳酸菌数,嫌気性菌数,および低温細菌数の対数平均値はそれぞれ,7.48/g,7.46/g,7.35/gおよび3.72/gであった。
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