抄録
本研究の目的は,サポート資源の認知および活用が進路選択不安と進路未決定に及ぼす影響を明らかにすることであった。まず,研究1ではサポート資源の認知と活用を両側面から測定可能な尺度を開発するために,大学生186名を対象に質問紙調査を実施した。分析の結果,尺度は8つの下位尺度から構成され,一定の妥当性と信頼性を備えていることが示された。次に研究2では大学生198名を対象に質問紙調査を実施した。研究2の目的は次の2つの仮説を検証することであった。すなわち,(1)サポート資源の認知は予防的に進路選択不安を低減する,(2)不安が喚起されたときにサポート資源の活用はコーピングとして用いられ,不安の進路決定への悪影響を緩和するという2つの仮説であった。共分散構造分析の結果,前者の仮説は支持され,後者の仮説は一部支持された。サポート資源の活用は不安が喚起された際に促進されるだけではなく,抑制されることも明らかになった。