抄録
本研究の目的は,児童生徒の友人グループの状態に対する認知について明らかにし,グループへの所属に関する意識について検討することであった。そのためにグループ状態認知尺度が作成され,信頼性と妥当性の確認がなされた。さらに代表的なグループの類型を抽出し,グループへの所属理由や志向性,ひやかしやからかいなどの直接的な被侵害と,ひとりぼっちでいるなどの孤立や不安との関連を明らかにした。クラスター分析の結果から,アンビバレント群,肯定優位群,否定優位群,消極群の4群を抽出した。否定優位群とアンビバレント群はグループ内にいじめ被侵害が生起していることが明らかになった。また,被侵害があるにもかかわらずグループに所属している理由として,否定優位群では,「閉鎖的集団志向」が高く「直接的な被侵害」「不安・孤立」が高いこと,アンビバレント群では「浮いた存在になることの回避」や「固定的集団志向」が高いことが明らかになった。グループの状態を識別する視点と,グループの過度の固定化や閉鎖化を防ぐような計画的な取り組みが教育関係者には求められると考えられる。