Cough Investigation
Online ISSN : 2759-6087
総説
GERD咳嗽の診断:診断的治療の意義
金光 禎寛
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キーワード: GERD, 慢性咳嗽, 診断的治療
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 2 巻 p. 12-17

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抄録

胃食道逆流症(GERD)咳嗽(GERC)は,世界的に慢性咳嗽の重要な原因の一つである.近年,日本でもGERCの頻度が増加しており,特に難治性慢性咳嗽(RCC)の原因として注目されている.GERCは単独原因として慢性咳嗽の11.9%を占めるが,咳喘息をはじめとする他疾患と併存して慢性咳嗽の原因となることが多い.GERCの病態生理には胃内容物が下部食道に逆流し迷走神経受容体を刺激する反射説と,誤嚥された胃内容物が気道を直接刺激する逆流説の2つの機序が想定されている.GERCの臨床的特徴として,咳嗽持続期間と咳嗽消失に至るまでの期間が長期,咳特異的QOLの低下,特異的治療への反応性の低下,呼気一酸化窒素濃度の低値などが挙げられる.さらに,機能性消化管障害がGERCと頻繁に併存することから,機能性消化管障害の病態への関与も示唆されている.上部消化管内視鏡検査(EGD)は食道粘膜びらんの評価に有用であるが,約3分の2の患者が非びらん性逆流性食道炎(NERD)を呈するためEGDによるGERCの診断は困難である.24時間食道pH インピーダンス検査はGERC診断において最も感度の高い検査であるが,侵襲性が高く実施可能な施設が限られている.したがって,プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの酸分泌抑制薬と消化管運動機能改善薬に対する治療反応性を評価する治療的診断がGERC診断の実用的アプローチとなる.今後,診断バイオマーカーの確立と非酸逆流や食道運動機能異常を標的とした新規治療法の開発に関する研究が必要である.

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© 2025 日本咳嗽学会

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