2025 年 2 巻 p. 7-11
慢性咳嗽は,耳鼻咽喉科領域では迷走神経のneuropathyが重大な原因の一つとして捉えられ,言語聴覚士によるspeech language therapy(SLT)が有用な治療手段として用いられてきた.一方内科領域では,近年,従来の特発的な慢性咳嗽に対してchronic cough hypersensitivity syndrome(CCHS)という概念が提唱され,欧米ではその治療の選択肢としてSLTが推奨されている.本稿ではこの歴史を振り返り,慢性咳嗽に対するSLTを中心に概説する.