抄録
地方都市では依然中心市街地の衰退が続いている。権利の輻輳が衰退の原因と言われる中で、土地建物の権利と建物利用の変化との関係を定量的に把握した研究はない。よって本研究は長岡市の中心市街地を対象として、土地建物の権利の実態、および権利と建物利用との関係を把握することを目的とする。 分析の結果、1)市外に居住する権利者「不在地主」は約15%であること、2)建物利用の流動性が低下していること、3)権利関係と建物利用の流動性の間に顕著な相関は見られないこと、が明らかとなった。以上の結果から、中心市街地の活性化に対しては、権利関係が単純で市内に住所を置いている地権者の理解と協力が不可欠であり、地権者による協議の必要性が大きいことを示した。