抄録
近年、地方都市における市街化調整区域において、商業系施設の立地が増加傾向にある。これは、市街化調整区域における現行の土地利用規制制度の実効性が低下しているのではないかと考えられる。そこで本研究では、商業系施設の立地動向と立地特性を解明し、制度の運用状況を比較することによって、市街化調整区域における商業系施設に対する土地利用規制制度の実効性を検証することを目的としている。研究対象地域としては、地方都市のなかでも商業活動が活発で、郊外化の要因が強い茨城県つくば市・土浦市を対象として、土地利用規制制度の実効性を検証した。その結果、統計的分析において、1号許可の拡大化・1号許可と8号許可との混在化・既存宅地制度や10号ロ許可における大規模商業系施設の立地によって、市街化調整区域においても比較的容易に、様々な商業系施設の立地が可能となっていることを明らかにした。また、即地的分析によって、1号許可・8号許可の立地条件・集積条件の許可運用基準が緩いことや、10号ロ許可における市街化促進性の判断の困難さによって、市街化調整区域において無秩序な商業集積地がいくつも形成されていることを明らかにした。