わが国は,他に類を見ない速度で高齢化が進んでいる.2015年には国民の4人に1人が65歳以上の高齢者となることが予想されており,歩行空間における高齢者や身体障害者の移動円滑化を目指したバリアフリー整備は,まちづくりの主要テーマの一つである.歩道のバリアフリー化は,安全で快適な都心を形成する上で重要視されている事業の一つであり,本研究では札幌市都心部において,小型プロファイラを用いて,歩道の縦断プロファイルの測定を実施し,得られた結果から札幌市都心部の歩道のプロファイルとバリアフリー状況を高精度に把握することができた.また,札幌市都心部のまちづくり計画の体系的な位置づけと歩道のバリアフリー状況を照合し,段階的にネットワーク化を目指した歩道のバリアフリー整備の効果的な優先順位の選定手法を提案した.さらに,まちづくり計画と連動した歩道の維持管理に関する考え方を示した.